2007年8月29日水曜日

星野村 『おばしゃんの店 清流』 取材

『福岡県耳納連山北麓地域における「捨て柿」活用による農村景観の保全と地域経済再生に関する研究』というテーマでトヨタ財団の助成を受けて、去年の11月から取り組んでいるんです。

それで、近隣の市町村で地域資源を上手く活用している事例を取材中です。

それで、この日は表題の、星野村の食品加工に取り組む元気なおばちゃんを突撃。
せっかくなので大勢で話を聞きに押しかけました。

現地スケジュール調整は星野村役場ふるさと交流班の柴田さんが担当してくれました。ありがとう。控えめで仕事の出来る美人です。

いや、取材があまりにも面白く興味深かったので、いくらでも書ける訳ですが,感想などを中心に手短に。


とにかく皆さんの笑顔が素敵です。
この日に取材を受けてくれたのは4人ですが、17名のおばちゃんたちがお店の商品(主に加工品)を作って自力で経営しているんですね。地に足の付いた起業家&技術屋集団ですよ。

この笑顔を見ていれば、お店が上手くいっているかどうか?なんてコトはすぐにわかると思います。

お店のレジが古くなったので、買い替え費用を捻出するために、この日の午前中(取材前)にラッキョをみんなで植えてきたそうです。(もちろん加工してお店で販売するわけです。)

とにかく皆さん前向きで、相当いろいろな勉強・工夫・努力をされています。

最初に村役場が加工所(主に味噌)そして、このお店を建てたのですが、特筆するべきは、それを最大限に活用できる人材が揃っているという事です。人材が揃っているコトを前提に作ったとすれば、役場に先見の目があったという事です。(日本では活用されない箱を作る事例を見つける方がたやすい。)

とにかく品揃えが充実しています。

味噌・抹茶かりんとう・紫蘇の葉入りふな焼き
お茶の葉の佃煮・ブルーベリージャム
お惣菜・トマトケチャップ

などなど とても書ききれないのです。
(撮影は小原クンに頼んでいるので後日)

この日のアルバム

・・・・報告書の一部を抜粋・・・・

* 添加物は入れない → 糖分・塩分の濃度で腐敗防止。
  (使わざるを得ないと思ってい聞いてみた)
  
* 出来るだけ 星野村の材料>福岡産の材料>国内の材料

* 気持ちが良いと良い商品が出来る。
 (その反対も然り。同じモノつくりとしては良くわかる)

『星野の味噌』

星野村はお米の産地で、品質の良いお米が出来るが、同時にお米として流通できないもの(粒が小さい・粒が欠けている)もかなり出る。
従来は茶畑の肥料・牛のエサとして使われていたが、もったいないので味噌麹に利用し始めた。(現在は年間4トンもの流通に乗らないお米が味噌に加工される。)

大豆も契約栽培で地元で作られたものを材料にしているが、量が足りないため国内産の物を使っている。しかし、徐々に地元で生産してくれる農家を増やして、地元産の材料で作りたい そうだ。


『抹茶かりんとう』

中身が見えないかりんとうのパッケージは斬新。『日光に当ると緑色が変色してしまうため』苦肉の策だった。(以前から知っていたので、僕はファンなのです。)

星野村の名産のお茶を使ったお菓子が作りたかったそう。

この日はブルーベリーのゼリーの試食を出してくれた。


『トマトケチャップ』

年間600本、『~清流』で販売するが、すぐに売り切れる人気商品。
トマトは品種が数種類あるため、その都度味の調整をする。

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●まとめ

* 地域の資源を活用しないのは『もったいない』と真剣に感じている。
* それぞれが起業家として哲学を持っている。
* 笑顔が絶えず、謙虚。『おかげさま』 『出会いが嬉しい』 『みんなが支えてくれる』という言葉が普通に出てくる。
* 多分苦い経験も相当ある筈だが、それも勉強だと前向きに捉えている。
* 常に商品のレベルを上げることを優先している。(試作 → 仲間の評価を聞く →改良)

・・・・以上 報告書より・・・・



昼食時は ”九州のムラへ行こう”の養父さんと偶然一緒になり、久し振りだったので情報交換と、お互いに協働できそうな”筑後の未来”について話し合いました。また面白いコトができそうだ。

午後からは、笑顔のステキな後藤さん・森松さんが星野村の食品加工所へ案内してくれました。

味噌の加工所の前は清流が流れていて、子供たちが思いっきり水遊びをしていました。
案内してくれた二人は、村が好きで、加工が好きで、ヒトとの出会い好きでたまらないと語ってくれました。

帰り際、
『もうここでいいですよ』と加工所の入り口でお別れしたのですが、
ずっと手を振って見送ってくれました。

行き帰りの道中の棚田の風景が素晴らしいです。こうやって眺めているのは簡単。『だんだん荒れてきたな』と他人事のように言うのも簡単。しかしその風景を維持している農家はかなりの労働を強いられます。これは自然ではなくて、その地に暮らすヒトの営みが作り上げた風景。平地の田んぼのように機械は入らないし、石垣の管理も必要ですし、収穫量も決して多くないわけです。

そんな星野の棚田のお米を一粒も無駄にしないように、味噌に作り上げるおばちゃん達には頭が上がらないのです。

星野村の美しい棚田のページを見つけました  秋にも行ってみよう。

星野村 『おばしゃんの店 清流』へ
あの笑顔に会いに行ってみてください。
必ず元気を貰えます。
そして、棚田もしっかり見てきてください。

当NPOの組長は星野村で、こんな企画も組んでいたのでした。
西鉄旅行  「棚田米づくり」体験
なんであんなに星野村に熱を上げていたのか・・・わかった。

1 件のコメント:

kenzo さんのコメント...

お米の話のついでに山下惣一さんのコラム食料「自給率」より「地給率」